2005年9月2日金曜日

レクサスと富裕層マーケティング

8月30日に正式ローンチしたレクサスは、本日までの2日間に156台を販売したとのこと。二極化しつつある日本の所得階層の象徴となるべきレクサスは、日本の富裕層マーケティングのロールモデルになるはずで、その手法もいろいろ真似されるはずだ。では、その手法によりどのような顧客価値が生まれているのか。



まず販売するプロダクト=車両本体について。
乗ったことはないので正しく評価できないが、既存のトヨタの各モデルのエンジンを大型化し、内外装のフィニッシュやパーツのレベルを上げて、Lの字のマークを付けたものに変わりはない。BMWに対するAlpinaというのが最大限の賛辞だろう。JD Powerの顧客満足度調査No.1のお墨付きもついている。
販売チャネルや演出といえば、既存トヨタ販社と別の販売系列を組織し、ショールームの床は大理石、お茶にせよショールームでの試乗にせよ、訪問者の注文に対して店員はひざを床につけてお伺いをするという。修理のショップ内の工具は、LEXUSの文字を鋳込んだSnap-onの特製工具で、清潔感のあるユニフォームに身を包むメカニックが作業する。
で、販売価格はというと、ベースの各トヨタ車と比べて約150万~の上増し。
これだけのプレミアム=顧客にとっての価値をレクサスは提供しているというのが、正統派の評価だが、回りまわってこのマーケティングコストを負担するのも顧客である。それでもターゲット層がみなレクサスを買いたいのだとすれば、上記のような差異(とリセールバリューを含む「勝ち組」感)が、日本の富裕層マーケティングのコアだということになる。それをexperienceと表現するのは自由だけれども。

・・とここまで書いて再認識したのは、たかがクルマを買うぐらいで、店員を床にひざまづかせるような男になったつもりはないし、アッセンブリー交換しかしないであろう"changineer"にSnap-onを買ってあげるのもゴメンだということ。それよりも、客と同じ高さの目線で正直な仕事をしてくれる油まみれのメカニックが、ひとつでも多く工具を買えるように、僕はこれからもそういうヒトたちにお支払いしたいと思う。全然足しにならないだろうけど。


5 件のコメント:

  1. 全面的に賛同しま~す。

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  2. セルシオより高いトヨタ車だと自慢したい人でしょう。買ってるの(笑)。
    実車みてきましたが、どうみても150万高くなったように見えないのが寂しいね。
    内部からにじみ出るようなコスト感が無い。コロッケは、衣がいくら高級になってもコロッケだということを再認識させられました。

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  3. 日本でのレクサスのブランディングはスタートしたばかり。
    ただ、車大国日本としてそろそろ、日本車を代表するプレステージュブランドがあってもよいとも思います。
    ブランドは企業と消費者がつくる価値観。今から10年後、結果日本の富裕層がBMW/メルセデスより、本当の日本のお金のある人達はレクサスを買う。となれば日本人としは嬉しく誇りな限りではないでしょうか。そして日本国内の経済効果もあがればさらによいのですが。ですけど、プレステージュブランドって結局、歴史、クラフトマンシップ、そしてラグジュアリーが揃って初めてなりたってますから、やはりレクサスが偽物だったらすぐにばれるでしょう。 と、まあ、無責任な事を書いてますが、私はべつにレクサス/BMW/メルセデスともに興味はありません(笑)。
    それにしても、アッセンブリ交換の「changineer」うまい表現です!!

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  4. >アッセンブリー交換しかしないであろう"changineer"
    う〜っ、耳が痛い。
    尤も、メーカーサイドが「ツナギ風情に内部を弄られたくない」との考えからか、子部品の設定無しにしてAssy交換の方向に向かわせている面も有るんですけどね。どのような不具合でも即日完成でないと納得されないユーザーの方も近頃は増えておりますので、苦労して不具合箇所を見つけて修理したとしても、「腕の悪いのにひっかかった」と。
    >販売チャネルや演出といえば、既存トヨタ販社と別の販売系列を組織
    何でもオープン前に有名ホテルの接客法を学びに研修に行かれたとか。
    勉強熱心ともとれるが、トヨタの接客法を否定しているみたいで既存の販路との差別化ってこういうコト?など思ったり。
    >たかがクルマを買うぐらいで、店員を床にひざまづかせるような男になったつもりはない
    差別化というより貴賤化ですね。Portagoさんはともかく、こういう形を望む御仁は確かにいらっしゃるので、詮無きことなのかもしれません。
    支離滅裂な文で失礼しました。

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  5. みなさんコメントありがとうございます。
    日本発のプレスティジアスなクルマといえば、価格はともかく、たとえばヨーロッパでのスバルや一時期のホンダみたいに、主にテクノロジー面で独自の評価と地位を確立してきたものがあります。それとくらべると、Lexusの戦略はいささかマーケタードリブンに過ぎて、「独自性」を感じないのです。結局のところ最高の品質・コストパフォーマンスを実現したところで、相対的な問題ですから。
    プレステージは、確固たる主義主張と思想のもとで、永年をかけて築いてゆくものなのでしょう。僕も、本質を見極められる目と感覚を時間をかけて磨いてゆきたいと思います。

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