2011年1月14日金曜日

worth visiting - le grande tour du Prince Asaka (et sa Voisin)

voisin


東京都庭園美術館で開かれている「朝香宮のグランドツアー」に、先日めずらしくも両親を連れて行ってきました。今度の日曜日(1月16日)が最終日です。




朝香宮鳩彦王は1922年に「軍事御研究」の名目で(実際は伯爵として身分を隠した、いわゆるグランドツアーとして)渡欧しましたが、翌23年4月にパリから100kmほどドーヴィル寄りの地で、義兄の北白川宮成久王が運転するVoisin 23CVランドーレットで事故に遭いました。この事故で不幸にも北白川宮は亡くなり、朝香宮も現地で長期療養を余儀なくされましたが、結果的にこれが幸いする形で、アールデコ博覧会など最新のフランス文化に触れ、そこで得た知己を生かした後年の庭園美術館の建立へとつながっていきます。


療養をほぼ終えた朝香宮は夫妻でヨーロッパ各地を旅行することになりますが、フランスでは再びショファードリブンのVoisinに乗っています。ふつうなら、同じメイクは縁起が悪いというべきところ、あるいは彼の美的感覚に合ったのかもしれません。ただしフランスからVoisinを持ち帰ることはなく、帰日後は、Hispano-SuizaとDelageに乗っていたようです。(戦前に日本にVoisinは存在しなかったはずです・・たぶん戦後も)
ちなみに、朝香宮のお嬢さんが嫁いだ鍋島直泰氏が、後に自宅ガレージに職工を通わせ、自らデザインしたボディをHispano K6に架装させたことにも、大きく影響を与えていたと思われます。


なお今回驚かされたのは、事故に遭ったVoisinの、無残にもつぶれたラジエーターそのものが展示されていたことでした。どうやら後に入手したフランス人より寄贈されたようです。まさかこれが残されていて、しかもここで見ることになろうとは思いもかけませんでした。


というわけで、ご興味ある方は今週末に足を運んでみてはいかがでしょうか。余談ながら、"a bit ahead"な話としては、最近とみにネタ切れな父のコラムの題材にもなったようです(笑)




5 件のコメント:

  1. エスロクレーサー2011年1月14日 19:51

    16日ちょうど荏原までモールトン運ぶついでに見てきましょう。
    情報ありがとうございました。

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  2. 朝霞市(なぜかホンダの施設が多いのですが)の名前の由来が、この朝香宮さまだったことぐらいは知っていましたが、戦前のフランスでそんな目に遭っていたとはビックリでした。しかしながら自分の親不孝といったら・・・少々考えてしまいました。

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  3. >エスロクレーサーさん
    中原街道→外苑西で一本ですね。
    >ichi-xさん
    ゴルフの宮様といわれた朝香宮が名誉総裁だったゴルフ場の移転が由来なのですね。ちなみに元の場所、駒沢公園ですね。
    ところで当方、「めずらしくも」の通りこのようなことはめったにしておりませぬので。

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  4. BT16A2011年1月18日 8:23

    僕も…。
    まさか、事故に遭ったヴォアザンのラジエーターをここで見る事になろうとは!
    なんとも複雑な気持ちで拝見致しました。

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  5. >BT16Aさん
    いらっしゃっていたのですね。
    実際日本にはどのようにやってきたのでしょうね。単に建物を維持してるだけに見えたキュアレーターも、ちょっとやるな、と思いました。

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